第5回ナパ・ソノマ飲み合宿を振り返って(1)

2012年のゴールデンウィークに実施した「第5回ナパ・ソノマ飲み合宿」。

 

ちょっと時間が経ってしまいましたが、今回も合宿に参加して頂いた私のワインの師であるMr.Xにお話を伺いました。Mr.Xは、日本酒利き酒師でもあり、ワインに対する鋭敏な味覚と記憶力、そして醸造に対する深い知見をお持ちです。また、ワインのテイスティング数、訪問ワイナリー数ともに桁違いで、私の大きな目標でもあります。

アオキ:今回、ナパ・ソノマ飲み合宿スタート以来初めて現地のワイナリーイベントに参加しました。しかも、スタッグスリープ地区でのVineyard to Vintner(V2V)。ズバリ、いかがでしたか?

Mr.X:通常非公開のワイナリーに訪問させてもらえるってことが最大の魅力でしたね。それに各ワイナリ―が、それぞれ趣向を凝らしてゲストをもてなす、あのホスピタリティーには感動させられました。

 

アオキ:今回、V2Vの開催時期がちょうど重なってラッキーでしたよね。

Mr.X:確かに。例年4月の最後の週末らしいですね。自力で、しかも日本からわざわざ行く我々にとって、こんなチャンス滅多にないと思います。

アオキ:そうですよね、実はナパで2012年に開催された同様のイベント調べてみたのですが、通常非公開のワイナリーに実際訪問させてもらえるのって、本当にこのV2Vのイベントぐらいだと思います。他のイベントの場合、参加はするけど、「試飲は別のワイナリーか、イベント会場で」なんて感じで・・・。

Mr.X:そう考えると、本当に質の高いワイナリーイベントでしたね。ワインは当然ですが、各ワイナリーとも料理が素晴らしかった!

アオキ:普段の合宿では、飲むだけですからね。しかも、ランチはいつもサンドイッチ(汗)。

Mr.X:そうそう(笑)。それにしても「ワインと料理のマリアージュって良いもんだなぁ。」と気づかされましたよ。

アオキ:特に美味しかったのは?

Mr.X:Lindstromで頂いたパエリヤですね。これと、女性ワインメーカーセリア・ウェルチによる赤ワインとの相性が絶妙でした。カベルネより、セカンドラベルのジンの方が良かったかなぁ。


Mr.X:次は、Baldacciのローストビーフ。あれは美味しかった!肉の脂を、重量感たっぷりの赤で流す、否、すすぐ!なんて贅沢な瞬間でした。

アオキ:確かに、幸せ絶調みたいな顔されてましたよ(笑)。

Mr.X:それからShaferで頂いた3種類の料理も良かったなぁ。ついつい、飲み過ぎてしまった。

アオキ:確かに、飲んでましたね・・・。私的にはMalk Familyや、ILSLEY、Tayler Familyの家族総出で準備しました!ってのが良かったです。特にTayler Familyは、手が込んでましたよね。

Mr.X:カンボゾーラを頂いたのは、Tayler Familyでしたよね。あれ以来、病みつきになってしまいました(汗)。

アオキ:何だか食べ物で盛り上がっちゃいましたね(汗)。話をワインに戻しましょう。正直、我々スタッグスリープ産にちょっと、苦手意識ありませんでした?私はちょっと大人の味って感じで、あえて行きたいとは思っていなかったのですが・・・。

Mr.X:自分は苦手という感じはないけど、訪問する優先順位が高くなかった、とは言えますね。

アオキ:で、実際がっつり一日中飲んでみて、いかがでしたか?

Mr.X:一言で言うと、「タンニンの妙」ですかね。タンニンのこなれ方が、他のナパのエリアのワインと決定的に違う・・・。特にShaferのヒルサイドセレクトは、秀逸でした。平地でありながら、斜面で育てただけで、あの凝縮感が放たれることに驚かされました。
それから適切な表現かかどうかわからないのですが、今回8軒ものワイナリーでカベルネを頂きましたが、正直、大きな違いがない・・・。言い換えると、世界に冠たるThis is Stag's Leap's CAB.というクライテリアがあって、あのエリアの造り手は、自然とそのクライテリアに合ったワイン造りをしている気がしました。だからこそ、プライドを持ってスタッグス・リープ産と言えるのかもしれませんが・・・。

アオキ:ナパワインの魅力、再発見って感じですね。

Mr.X:良いワインと上手い料理、ホスピタリティ満点の人々と出会えた、これまでに経験したことがないイベントでしたね。機会があれば、ぜひまた行ってみたいです。

アオキ:そうですね。次回は、朝イチで Clos du Valに乗り込みましょう!まさか、朝からあんなに充実したラインアップを頂けるとは思ってなかったので、油断しちゃいました(汗)。

Mr.X:日本人で参加していたのは、恐らく我々だけでしょう。

アオキ:そうだと思います。どのワイナリーでも熱烈歓迎されましたよね。

Mr.X:うーん。でも「わざわざ日本から?」と困惑されてもいましたけどね(汗)。

アオキ:でも、こういうイベントは自力だからこそ!の醍醐味だと思います。

 

Mr.X:そうですね。旅行会社のワイナリー巡りツアーや、現地ガイドにお願いしても対応してもらえないでしょう。彼らにメリットはないですからね。

アオキ:そういう意味で、自力でのワイナリー巡りは、まだまだやめられないですね(嬉)。

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